2025年本屋大賞は阿部暁子『カフネ』!調べるほど読みたくなる受賞作

(『カフネ』(阿部 暁子)|講談社) 阿部暁子『カフネ』表紙(講談社)
2025年4月9日、第22回「本屋大賞」の発表会で阿部暁子さんの小説『カフネ』(講談社)が大賞に選ばれました (本屋大賞に「カフネ」 阿部暁子さん「頂いた大きな贈り物に報えるように」〖発表会詳報〗|好書好日)。本屋大賞は全国の書店員が「いちばん売りたい本」を投票で選ぶ賞で、今年も書店員さんの支持を集めた一冊が栄冠に輝いたことになります。実は筆者(私)自身はまだ『カフネ』を読めていないのですが、受賞のニュースを聞いてからというもの「あちこちで話題だし、どんな作品だろう?」と気になって仕方がありません。でも、本をそんなに読んでないのに読めるのか不安になっていました。
そこでタイトル・あらすじ・作者情報から、SNSやレビューサイトの反応まで徹底調査! 調べれば調べるほど本をそんなに読んでないのにも読める本だと分かり「これは読まねば!」とワクワクしてきたので、その内容をまとめました。
受賞作『カフネ』ってどんな本?あらすじ紹介(ネタバレなし)
『カフネ』は、一言でいうと**「喪失から立ち直ろうとする女性たちが、“食”を通じて心を通わせていく物語」です。主人公の野宮薫子(のみや かおるこ)は法務局に勤める40代の女性。溺愛していた12歳年下の弟・春彦を突然亡くし、深い悲しみに沈んでいます (『カフネ』(阿部 暁子)|講談社)。遺品の中から弟が遺言書を残していたことが判明し、その受取人の一人として名前が挙がっていた弟の元恋人・小野寺せつな**に会いに行くところから物語が動き始めます。やがて薫子は、せつなが勤務する家事代行サービス会社「カフネ」での活動を手伝うことになり、一緒に料理を作って食べる時間を重ねる中で、傷ついた二人の距離は少しずつ縮まっていきます (本屋大賞に「カフネ」 阿部暁子さん「頂いた大きな贈り物に報えるように」〖発表会詳報〗|好書好日)。
作品のキャッチコピーは「一緒に生きよう。あなたがいると、きっとおいしい。」というもの (『カフネ』|本のあらすじ・感想・レビュー・試し読み – 読書メーター)。大切な人と過ごすことで、人生がどれほど味わい深くなるかーー食事の場面を通じて描かれる優しさと切なさが伝わってくるような素敵なフレーズですよね。ちなみにタイトルの「カフネ」とは、ポルトガル語由来の言葉で*「愛する人の髪を優しく撫でる仕草」*を意味するそうです (カフネ | 阿部暁子のあらすじ・感想 – ブクログ)。髪をそっと梳(す)くようなその柔らかな所作は、本作全体の雰囲気を象徴するキーワードと言えるかもしれません。
著者・阿部暁子さんはどんな人?過去の作品と経歴
今回見事に本屋大賞を受賞した阿部暁子(あべ あきこ)さんは、岩手県出身の小説家です (本屋大賞に「カフネ」 阿部暁子さん「頂いた大きな贈り物に報えるように」〖発表会詳報〗|好書好日)。
2008年に『屋上ボーイズ』(集英社コバルト文庫)で第17回ロマン大賞を受賞しデビューした経歴をお持ちで、以後コンスタントに作品を発表されています (本屋大賞に「カフネ」 阿部暁子さん「頂いた大きな贈り物に報えるように」〖発表会詳報〗|好書好日)。
代表作には、車いすバスケに打ち込む少女たちを描いた青春小説『パラ・スター』シリーズ(集英社文庫)があります。このシリーズは《本の雑誌》が選ぶ2020年度文庫ベスト10の第1位に輝くなど高い評価を受けました (本屋大賞に「カフネ」 阿部暁子さん「頂いた大きな贈り物に報えるように」〖発表会詳報〗|好書好日)。
他にも**「鎌倉香房メモリーズ」シリーズ**(集英社オレンジ文庫)や、小説『カラフル』(集英社)など、多彩なジャンルで作品を執筆されています (本屋大賞に「カフネ」 阿部暁子さん「頂いた大きな贈り物に報えるように」〖発表会詳報〗|好書好日)。
阿部さんの作風は、一貫して登場人物の心情を丁寧にすくい上げるヒューマンドラマに定評があるようです。実際、『カフネ』でも**「悲しみを抱えた人々が小さな希望を見つけていく様子」が物語の軸になっている (『カフネ』のあらすじ解説と心温まる小説の魅力を紹介 – 物語の知恵袋)**とのことで、著者ならではの優しさあふれる筆致が光っている模様。デビューから15年以上のキャリアを積んできた阿部さんですが、本屋大賞は今回が初ノミネート・初受賞。「長年のファンだった!」という書店員さんや読者の声もSNS上で見かけました。今回の受賞を機に、阿部暁子さんの名前がさらに多くの読者に知られることになりそうですね。
SNSや読書サイトでの反響は?読者の声あれこれ
さて、肝心の『カフネ』の読み心地や評価について、SNSやレビューサイトではどんな感想が寄せられているのか気になりますよね。調べてみると、受賞前からすでにかなりの評判で、書店員さんや読書好きの間では「今年の本屋大賞最有力では?」との声も上がっていました。
実際、一般読者のレビューやコメントを見ても好意的な声がとても多い印象です。ただし中には批評的な意見も少しだけありました。ここでは良かった点と気になった点の両面について、特に目立つ読者の声をまとめてみます。
「心が温まる」「感動的」
多くの読者が口を揃えてこの作品を「読んで心がほっと温まる」「涙が出た」と高く評価しています (『カフネ』のあらすじ解説と心温まる小説の魅力を紹介 – 物語の知恵袋)。登場人物たちが心に傷を抱えながらも前を向いて進む姿に大きな共感を呼んでおり、「読後感が素晴らしい」「読み終えて前向きな気持ちになれた」といった声が多数見受けられます (『カフネ』のあらすじ解説と心温まる小説の魅力を紹介 – 物語の知恵袋)。書評家の吉田伸子さんも新聞で「雨に濡れた人への、傘のような一冊」と評しており (本屋大賞の阿部暁子さん「カフネ」どんな本? 「食」を通じ支え …)、物語の優しさが読む人の心を包み込んでくれるようです。
食べ物描写のおいしさ
『カフネ』では物語の中心に「料理を作って一緒に食べる」場面がたくさん登場しますが、その食事の描写がとてもリアルで美味しそうだと評判です。 (『カフネ』のあらすじ解説と心温まる小説の魅力を紹介 – 物語の知恵袋)読んでいると「お腹が空いてきて、思わず美味しいものを食べたくなる!」という感想も多く、「食」が与えてくれる幸せがぎゅっと詰まった物語だと感じる読者が多いようですね (カフネ – 阿部暁子 – 小説・文芸 – DMMブックス)。劇中に登場する料理ではポップコーンやピザなど身近なメニューも印象的に描かれているらしく、「想像しただけで香ばしい匂いが漂ってきそう」「夜中に読むと飯テロ」といったコメントもありました(笑)。
「面白い・読みやすい・読後感よし」
エンタメ性の面でも、「最初から物語に引き込まれて一気読みした」という報告が相次いでいます 。ある読者は「『面白い、読みやすい、読後感よし』の三拍子揃った秀作でした!」と大絶賛しており (カフネ | 阿部暁子のあらすじ・感想 – ブクログ)、文章が平易でスイスイ読めることも高評価の一因のようです。「様々な社会問題が盛り込まれているが根本に流れる物語は優しく温かい」といった感想もあり (「本屋大賞」のX(旧Twitter)検索結果 – Yahoo!リアルタイム検索)、重たいテーマを扱いつつも読後には優しい気持ちが残る作品だと言えそうです。
キャラクターへの共感
特に多くの方が共感を寄せているのが、寡黙で心に鎧をまとったようなヒロイン・せつなの存在です。彼女がそうならざるを得なかった背景事情が物語中で明かされますが、常に感情を表に出さず頑なに生きるせつなの姿に「自分と重なる」「胸が締めつけられた」という読者が少なくありません 。実際「私もせつなと同じで、つらい時に周りにうまく頼れないタイプだから、彼女の言葉がスッと胸に入ってきた」という声もあり (カフネ | 本とパンと日々のつぶやき)、キャラクターの心情描写がリアルで響くという評価です。薫子とせつなが少しずつ打ち解けていく過程についても「人と人との繋がりを温かく丁寧に描いている」と好評で (カフネ | 阿部暁子のあらすじ・感想 – ブクログ)、「人との関わりっていいな、と素直に思える物語」「読み終わった後、大切な人に連絡を取りたくなった」なんて感想も見られました。
少しだけあった批判的意見「メッセージ性がやや弱く感じた」
全体的に高評価が多い『カフネ』ですが、わずかに「ここが気になった」という指摘も散見されました。その一つは「メッセージ性がやや弱く感じた」という意見です。「途中で涙は出たものの、結局この作品を通して何を一番伝えたかったのかが自分には強く響いてこなかった」という声で、物語のテーマが散らばっているとの見方もあるようでした。ただしこの方も「共感はできなかったものの一つの小説として楽しめたので満足」と述べており (カフネ | 阿部暁子のあらすじ・感想 – ブクログ)、物語としての面白さ自体は評価されています。
もう一つはクライマックス付近の展開について。「薫子が終盤にある書類を提出するエピソード」があるようなのですが、これに関して「あの展開だけは作品の雰囲気に合わず気持ちが置いていかれた」 (カフネ | 本とパンと日々のつぶやき)「私だったらちょっとドン引きかも…」といった声がありました。物語の核心に関わる部分なので詳細は伏せますが、ある種のサプライズ的な演出が人によっては唐突に感じられるのかもしれません。
このように細かな不満点を挙げる人もゼロではないものの、全体としては圧倒的に「読んで良かった!」というポジティブな感想が多い印象です。
普段本を読まない人でも楽しめるポイントはココ!
では、あまり読書習慣がない人でも『カフネ』を楽しめるとしたら、どんなポイントが魅力になりうるか考えてみましょう。調査した中で感じた、本作が幅広い層に訴求しそうな理由をまとめてみます。
文章が平易で読みやすい
先述の通り「読みやすい!」という感想が非常に多く、難解な表現や凝りすぎた構成もなくスッと物語に入り込めるようです (カフネ | 阿部暁子のあらすじ・感想 – ブクログ)。実際Twitter上でも「本屋大賞ノミネート作だからきっと読みやすいと思います!」と、本の初心者向けにお薦めする声がありました (「本屋大賞」のYahoo!リアルタイム検索 – X(旧Twitter)を …)。304ページとボリュームも程よいため、「小説は長くて挫折しがち…」という方でも比較的とっつきやすいのではないでしょうか。
共感できるテーマと前向きな読後感
扱われるテーマ自体は**「家族の死」「離婚」「介護」「貧困」といった現代的な社会問題も含まれていますが (「本屋大賞」のX(旧Twitter)検索結果 – Yahoo!リアルタイム検索)、物語のトーンはあくまで優しく、読む人に希望を与えてくれるものです。 (『カフネ』のあらすじ解説と心温まる小説の魅力を紹介 – 物語の知恵袋)登場人物の抱える悩みや喪失感は誰しも少なからず共通する部分があり、「自分にも起こり得るかもしれない物語」として感情移入しやすい**と感じました。そして何より読み終えた後に心が温かくなる作品なので、「難しいことはよく分からないけどいい話だったなぁ」と素直に思えるはずです。読後に残るポジティブな余韻は、普段本を読まない方にも心地よく響くでしょう。
料理のおいしさと物語の先が気になるワクワク感
物語を彩るお料理シーンは、読む楽しみとしてとても分かりやすい魅力です。美味しそうな描写を想像するだけでページをめくる手が進みますし、「次はどんな料理が出てくるのかな?」とワクワクしますよね。また、弟・春彦の遺言書や死の真相など謎の要素も物語に織り込まれているため、ミステリー要素とまではいかなくとも「先が気になって一気読みした」との声が多数ありました (「本屋大賞」のX(旧Twitter)検索結果 – Yahoo!リアルタイム検索)。こうした読者を飽きさせない工夫が随所にあるので、本に不慣れな方でも最後まで夢中で読み進められると思います。
おかげで私も調査中に「むしろ今本をあまり読んでいない自分にピッタリの作品では?」と感じてしまいました(笑)。実際、読書コミュニティサイトでは本棚登録者数がすでに9千人を超えており、平均評価も5点満点中4.37と非常に高評価です (カフネ | 阿部暁子のあらすじ・感想 – ブクログ)。受賞前からこれだけ支持されているなら、まず間違いなく面白い一冊でしょう。
まとめ:読書習慣ない人にこそ届けたい、やさしい一冊
最初は「本屋大賞を獲ったらしいけど、どんな本なんだろう?」という軽い興味だったのが、作品の概要や周囲の反響を調べれば調べるほど**『カフネ』を今すぐ読みたい気持ちが高まってきました**。悲しみを乗り越える物語というと重そうに聞こえるかもしれませんが、多くの読者が「優しい気持ちになれる」「読んで良かった」と太鼓判を押しているように、きっと温かな感動が味わえるはずです。私と同じように「気にはなってるけどまだ読んでない…」という方も、ぜひこの機会に手に取ってみてはいかがでしょうか? 本屋大賞受賞作『カフネ』、普段本をあまり読まない人にもぜひおすすめしたい注目の一冊です。 (本屋大賞に「カフネ」 阿部暁子さん「頂いた大きな贈り物に報えるように」〖発表会詳報〗|好書好日) (『カフネ』のあらすじ解説と心温まる小説の魅力を紹介 – 物語の知恵袋)
読後には、あなたも大切な誰かと美味しいご飯を囲みたくなるかもしれませんよ🍴✨