Skibidi Toilet(スキビディトイレ)子供への影響について
子供が夢中になって見てしまうYouTubeの動画で、Skibidi Toilet(スキビディトイレ)というものがあります。たくさんの人が実況・解説動画を投稿され、人気に拍車がかかっています。しかし、内容的には少々暴力的な面もあり、子供に見させていいのか悩んでいる親御さんもいるでしょう。
この記事はそんな親御さんにスキビディトイレを子供に見させていいのか、どんな影響があるのか調べてみましたので紹介します。
Skibidi Toiletとは
Skibidi Toiletについて、ピクシブ百科事典によると
2023年から「DaFuq!?Boom!!」ことAlexey Gerasimov氏がSource FilmMakerにて制作し、Youtubeにて投稿している、1エピソード約30秒~5分程の3DCGのアニメーション動画。(最近では総集編等で10分超えの動画もある。)
内容は、トイレから人間の頭が生えたクリーチャー「スキビディトイレ」と、それに対抗する機械の顔をしたアンドロイド達、Alliance(アライアンス)とのバトルを描いたアニメーションである。
初期(第1話~第6話)は恐らくネットミームを用いたネタ動画であったが、第7話に異形頭のカメラマン達とのバトル動画を投稿して以降、そちらが人気を博し、現在ではバトルアニメーション路線となっている。
又、スキビディトイレ達よりもアンドロイド(アライアンス)達の方が人気が高く、pixivにおいても、スキビディトイレよりも「カメラマン」等のアンドロイド達のイラストの方が多く存在する。
投稿後から人気を拡大し、再生回数1億回、ショート動画ver.でも2億回以上を突破するエピソードも現れるなどしている。
現時点の最新話は第72話(Part2まであり)で、更にはこの作品を原作としたモバイルゲームも存在する。
Skibidi_Toilet 引用元:ピクシブ百科事典
人気があるのはバトル部分である事が分かります。執筆時点の最新話まで確認しましたが、暴力的なシーンがあり、街を破壊しているシーン等もあります。もちろん、オリジナルは日本語ではありません(そもそも会話少なめ)。
暴力的な映像の影響
暴力的な映像には子供達にどのような影響があるのでしょうか。
その影響を示す理論は様々あるようですが、ここでは観察学習理論紹介します。
暴力番組における観察学習理論(observation learning theory)は、子供たちが親や兄弟、友人たちの行動やことばを見聞きして、まなをしながらそれらを習得していくように、テレビ番組のなかで登場人物などの暴力行為を習得し、状況によってはそれを行使するという立場をとっている。Banduraによって提唱され、様々な実験的な手法が行われている。
テレビ暴力番組が子供の非社会的行動に与える効果について 和田正人(2001年) 東京学芸大学教育学部助教授
後の研究では、その暴力行為が正当化された時に、暴力行為の模倣が増加するともされています。
要するに、子供達は動画を通して暴力行為を習得し、それが正当化された場合、暴力行為が増えるという事が予想されます。
正当化された暴力行為とは
〇〇戦隊の必殺技が良い例です。戦隊ヒーロー番組では、必殺技という暴力行為を絶対悪へ向けています。「何の罪もない人達を苦しませる悪い敵」それを倒すのは善い行いなので、暴力行為を正当化しているとも言えます。
子供達は戦隊ヒーロー番組を見ることで、絶対悪への暴力行為は正当化されると理解します。その事を親は分かっておく必要があるでしょう。
しかし現実的には、普段の生活の中で戦隊ヒーロー番組に出てくるような敵はそうそういません。曖昧で、それぞれの信念で善悪が変わってしまうような世界です。その世界で、どんな敵なら暴力は正当化されると子供に教えていますか。それともどんな敵でも正当化されないと教えていますか。
おそらく、それぞれの親がどんな人に育って欲しいかという思いによって正当化する線引きは多種多様でしょう。もしかすると、子供の場合と自分の場合ではその線引きが変わるかもしれません。
それを考える事も親の役目だとも思います。
Skibidi Toiletを子供達から遮断すべきか
スキビディトイレは少なからずとも暴力行為がある動画であり、子供達がその動画により暴力行為を習得します。そして、私が見た限りでは、絶対悪となり得る理由がスキビディトイレに見当たりません。強いて言うと、やられたからやり返しているように見えてしまいます。
そうなると、ただ単純に暴力には暴力で返す子供になってしまわないかと不安になります。
それぞれの親の正当化される暴力の線引きによっても変わりますが、一般的には、やられたらやり返す倍返しだ!方法はあまりよくありません。それは、いつか記事にしたいと思います。
では、スキビディトイレを見せるのをやめる。暴力行為のある動画を遮断する。というのは、可能でしょうか。むしろ、本当にそれでいいのでしょうか。
暴力行為がない世界を親は準備し続けられるのか
私は、この情報過多の社会の中で、ある情報のみを完全に遮断することは不可能だと思っています。YouTubeの設定でスキビディトイレの動画を見られなくできたとしても、関連動画は次々と配信されます。戦隊ヒーロー番組も然り、今後新しいスキビディトイレのような動画も生まれるでしょう。このような状況で、全く暴力行為がないものばかりを準備できるでしょうか。親の目が行き届かないところではどうでしょうか。私の答えは不可能です。
いつかは暴力行為と遭遇し、暴力行為は習得する事になるでしょう。
全て話し合いで終わる戦隊ものとなっても、子供達の前では見向きもされないでしょうね。
結局Skibidi Toiletを子供に見させていいのか
Skibidi Toiletをみる事で次の事が予想されます。
- 暴力行為を子供が習得する
- やられたらやり返す方法を子供が習得する可能性が高い
しかし、現実的には以下の事が予想されます。
- 暴力行為が無い世界を永遠に準備は出来ない
- いつかは暴力行為と遭遇し習得する
- それぞれの親によって正当化する暴力の線引きが違う
であれば、見させていいのかと言うより、どのように見させるかを考えるべきです。
最後にSkibidi Toiletをどのように見させるべきか
具体的な案は次の通りです。
- 正当化する暴力行為の線引きを親として明確にもっておく
- 親と一緒に動画を見る事で暴力行為と善悪を一緒に教える
- 親の監視下外の時に見せるのであれば、動画やチャンネルを親が(一緒に)選ぶ。
正解はないかもしれませんが、悩める親の参考になれば幸いです。